新年となりました。皆さんはどのように迎えられたでしょうか。
天気予報では荒れると言われていましたが、日が差す時もあり、割と穏やかな年明けとなりました。良かったです。
今年はどんな年になるんでしょうか。
一日一日大切にしたいですね。共に在ることを忘れないように。
さて今回は以下の文章をご紹介いたします。
梶原敬一さんの『生きる力』(東本願寺出版部)からの抜粋です。
宗教は、人を救うものでなければなりません。しかし、それは人の苦悩を救うのではありません。苦悩する人を救うのです。浄土の教えも、念仏も苦悩する人を救うために見出された真実の法です。
ところが、私たちは、この浄土も、念仏も、人の苦悩を救うための方法としてしまっていたのではないでしょうか。
人の苦悩を救う方法となった時、それは、苦しみを除き、悩みを消そうとするものとなってしまいます。苦しみや悩みがなくなってしまう時、私たちはこの苦しみと悩みを生きている自分自身さえ見失ってしまいます。生きている感覚さえ奪われてしまうのです。
現代という時代は、まさに、この人の苦悩を奪うことを人の幸福として追求し
てきた結果、生み出された時代です。それが、今日の日本という社会の中に、生
きる喜びが喪われてしまった原因だと思います。
今、この時代を救い、社会を救うために、浄土と念仏の本来のはたらきに気づ
かなければなりません。そして、念仏の言葉によって、自身の言葉を照らし出さ
なければならないのです。そして、それぞれの言葉が念仏に響きあった時、その
言葉が、自らを救うのだと思います。
苦悩を無くすことによって幸せがもたらされるという発想があるかもしれませ
んが、そうではなく苦悩そのものが生きている感覚であり、かえって苦悩する人
そのままが救いのすがただと説くのが浄土の教えでないかと思います。わが身ひ
とりを救われるを良しとせず、です。
以下のアクセス先は、真宗ドットインフォというサイトです。動画やエッセイな
どあります。是非、観て下さい!!
http://jodo-shinshu.info/2016/10/24/7890/